浜野佐知監督の初めての著書『女が映画を作るとき』が、1月11日に平凡社新書から発売されました。70年前後の疾風怒濤の時期に映画監督を志したもの の、大手5社の演出部の採用条件「大卒・男子」に阻まれ、ゲリラのピンク映画の業界に飛び込みます。
30年近くで300本超(推定)の作品を監督した後、自主製作に取り組んだ最初の作品が『第七官界彷徨‐尾崎翠を探して』(98年)でした。その後『百合祭』(01年)を製作・監督し、この2本の作品の上映運動の中で全国の女性センターなどで活動するアクティブな女性たちや、世界の女性映画祭と出会い、セ クシュアリティをテーマとするフェミニズムに雪崩れ込んでいきます。
本書では、そのプロセスが愉快なエピソードを通じて語られると同時に(特にかつてのピンク映画の世界は想像を絶するものがあります)フランス、イタリア、 ドイツなどヨーロッパの女性映画祭の主宰者たちが、90年以降のバックラッシュの中で何を考え、行動しているかインタビューしています。監督になりたいと いう夢だけ断たれたという東京国際女性映画祭の高野悦子プロデューサー(岩波ホール総支配人)のインタビューと併せて、貴重な資料となることでしょう。 そして最終章の「映画は男の世界か?」では、業界の男体質やセクハラへの無自覚を痛烈に批判していますが、果たしてこれに対するリアクションはあるので しょうか? |