浜野佐知監督作品 |
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尾崎翠の世界を、全集1冊分の価格でお手元に! 日本国内はもとより、世界の映 画祭を経巡ってきた映画『第七官界彷徨・尾崎翠を探して』ですが、時間の経過とと もに、上映する機会は確実に減っています。まだこの映画を未見の方、またもう一度 観たい方にお勧めしたいのが、ビデオ版です。 |
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今でこそ、尾崎翠の名前は相当、一般にも流通していますが、当時はまず尾崎翠の作品がどういうものであるか、知ってもらうところから始めなければなりませんでした。また、映画製作の過程で、尾崎翠をどうも私物化しがちな稲垣氏が、具体的な障害として立ちはだかったのも事実です。 ただ、楽屋裏のトラブルを公然化することには賛否両論あり、観客にはまったく関係ないことですので、映画のパンフレットには相応しくないという判断が優勢でした。しかし、稲垣氏の処世の問題はさておき、尾崎翠の権威、あるいは第一人者とされる氏の解説が、最初の創樹社版の全集の後に編まれたアンソロジーあたりから、恣意的な粉飾が加わり始めているのは、まぎれもない事実であり、そうした「定説」の批判から映画化の試みが始まったのです。 そこで、あくまでヤマザキ個人の責任において、稲垣氏批判の一端を披瀝したのが、パンフレット所収の「お散歩、漫想家の領土を」でした。しかし、これはいわば私闘を含んでおり、本来の目的から言えば、従来の尾崎翠論とはまったく違った視角からの読解にアプローチしている、塚本靖代さんの「変な家庭の永遠の妹、小野町子」や、映画にモニター出演して頂いた加藤幸子さんと矢川澄子さんに対するインタビューこそ、新たな尾崎翠観を示すものです。 最近、とても嬉しかったことのひとつは、『國文学』2000年3月号(學燈社)に、圧倒的なスケールの尾崎翠論「自動少女ー尾崎翠における映画と滑稽なるもの」を発表したリヴィア・モネさん(モントリオール大学教授)の参考文献リスト(同5月号)に、このパンフレットが記載されていたことです。 昭和初期の専門的な翻訳書から、現代哲学にまでわたる広範な資料を渉猟された同氏が、こんな小さなパンフレットにまで目を通されていたことこそ驚異なのですが、ある程度のリスクを覚悟して踏み切った編集責任者としては、いささか感無量です。「かたじけない」というのは、こういう時に使う言葉なのだろうか、などとボンヤリ考えました。 すでに1年以上経ったパンフレットですが、まだ在庫がありますので、興味のある方には通信販売でお頒けします。旦々舎(たんたんしゃ)まで申し込んでください。料金は一冊600円(送料200円)です。 |
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